20年ぶりに読み返した本。
当時は東京大学大学院で博士課程を修了した著者が物質科学をベースとしながら、世界の精神性に深い関心を寄せた本だということで読みました。
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文庫本版は
- 理性のゆらぎ (幻冬舎文庫)/幻冬舎
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この中に20年以上前にインドでインド占星術を受けた著者の章があります。
この章の中でのインドの占星術師の方のコメントを抜粋させていただきます。
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人間の運命は決まっている。
過去からの行いで現在が決まり、現在の行いで未来が決まる。
それらは、カルマの法則で厳格に規定されており、その影響を免れることはだれにもできない。
だから、今生での正確な誕生時刻と位置、あるいはそれに代わるものがあれば、そこから過去世や来世を計算することもできるのだ。
ただし、それは現象界のレベルの話だ。
最も深い霊性のレベルでは、神が自由であるように、人も自由だ。
そのレベルに立った時、人は自由な選択を行い、なおかつ行動を誤ることがない。
それはなにものをも超越した状態だ。
そういう人には占星学もあてはまらない。
霊性は、現象界を超越しているのだ。
しかし人はだれもが、いわばその中間の段階で生きている。
だからわれわれには、運命が決まっているようにも、自由な意志があるようにも感じられるのだ。
まさに、この世界を支配するマーヤー(幻)の典型的な現れだ。
こうして混迷の度合いを深めるわれわれの人生の交通整理の役割をするのが占星学なのだ。
普通に生きている人には、それは十分に有効だ。
—————— 20年前にこの本を初めて手にした時にははピンとこなかったのですが、段々わかるようになってきたのが本の奥深さです。
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